研究課題/領域番号 |
17K18190
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上 英明 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80779728)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | キューバ / アメリカ政治外交史 / 米・キューバ関係 / 米州関係 / 国際関係史 / 冷戦史 / 移民研究 / ラテンアメリカ |
研究実績の概要 |
令和2年度においては、新型コロナウイルス危機の影響により、予定していたアメリカ合衆国、およびキューバへの国外調査などが相次いで中止に追い込まれ、当初の計画を大幅に狂わせることになった。とりわけニューヨークでの史料調査については感染危機の一大震源地となったこともあり、アーカイブとの音信不通状態が続いてしまい、断念を迫られた。また、年次大会の報告も米国歴史学会は次年度に延期となるということもあった。加えて、研究拠点が移ったところで、授業や学務のオンライン化に追われ、育児なども重なり、体調を崩したこともあった。 このような状況ではあったが、いくつかの点で研究の進展もあった。まず、米国国際関係史学会はオンライン開催となったとはいえ、貴重なコメントを頂くことができた。また、米国の対キューバ政策の文脈で特に重視していたジミー・カーター大統領の評論を共著という形で発表できたが、執筆の過程でアメリカ政治外交史の研究者から大変有益なフィードバックを得ることが今後の成長の糧となった。さらに、本研究の成果としてすでに発表した英文単著および日本語単著への新たな書評が『アメリカ研究』やAmerican Historical Reviewなどで掲載され、多角的な視点から今後の研究の展望について再考する機会も得られた。 全体的に、想定外のことが続いたとはいえ、柔軟に研究計画を修正したと考える。 今後は最終年度を一年延期した上で、新型コロナウイルスの動向を睨みながら、渡航の可能性を見極めることとする。仮に渡航が難しいと判断した場合は、再び路線修正を試み、史料の取り寄せや文献・物品の購入などへの支出を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス危機の継続により大幅な計画修正を迫られたため。
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今後の研究の推進方策 |
海外調査が進まなかったため、1年の繰越延長が必要だと判断した。まずは渡航準備を継続して取り組みたい。ただし、ワクチン接種がなければ渡航も難しいため、並行して(1)文献調査による研究、(2)これまで入手した米・キューバ関係に関する史料の読解、(3)新たな論考の執筆を中心に、研究成果を積み上げることを目指す。加えて、今後も学会発表や書評などのフィードバックを糧に、これまでの研究成果の総括を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染危機の継続により、予定していた渡航調査が実施できなかった。文献調査に切り替え、書籍購入や史料複写などに充てたものの、余剰が生じた。
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