研究課題/領域番号 |
17K18192
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
齋田 牧子 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 助教 (70612943)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 口内炎 / 活性酸素 / 抗酸化 / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
口腔粘膜疾患であるアフタ性口内炎の発症経験率は、超高齢社会に伴い今後さらに発症率が増加することが予想される。全身疾患の一部として生じることもあるアフタ性口内炎は、発生機序は明らかとなっておらず、現時点では特効薬は存在しない。本研究は、アフタ性口内炎に対し、抗酸化という新たな視点による治療法を開発することを目的とする。アフタ性口内炎は、病巣に炎症と密接に関わる活性酸素種 (ROS)が生じていることが報告されている。そこで、この現症に着目し、ROS をナノレドックス粒子により直接的かつ瞬時に消去することで、即効性と局所特異性による確実性を備えた新たな炎症コントロールへの戦略を考えた。ナノレドックス粒子が、アフタ性口内炎に生じている ROS を直接的に消去することで、(1) 副作用がなく(ミトコンドリア電子伝達系を阻害しない)、(2) 確実かつ急速に局所特異的な抗炎症・抗酸化作用を発揮することを期待した。具体的には、口腔内の温度変化によるゾルゲル反応を利用し、操作性を維持しながらアフタ性口内炎の炎症組織に浸透した後に停滞性を発揮させる(局所特異性の向上)ため、体温下でゲル化し ROS を効果的に消去することが可能なナノレドックス粒子を設計した。そして、アフタ性口内炎モデルに対する抗炎症・抗酸化の効果を検証することを本研究の課題とした。初年度は、実験モデルの作製および酸化の評価に重点を置き、評価検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度においては、モデルの作製及び酸化ストレスの評価(活性酸素種の定量)を行った。次年度では、ナノレドックス粒子による口内炎モデルに対する抗酸化の評価及びそのメカニズムについて検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、ラット口内炎モデルにおける抗酸化作用の評価及びメカニズムについて評価していく予定である。In Vivoにおいては、ラット口内炎モデルの疾患部位における酸化の評価(活性酸素種の定量)を行う。加えて、凍結切片による組織学的評価も検討する。In Vitro では、ナノレドックス粒子による歯肉線維芽細胞の挙動を評価する。既存の方法に従って酸化ストレス環境下を再現し、ナノレドックス粒子による酸化ストレス消去能を評価していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験に使用すべき試薬及び消耗品の購入を効率よく購入したことや、既存の物品を使用出来たことにより、使用額を有効に使用することが可能であった。
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