研究課題/領域番号 |
17K18195
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
池下 花恵 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (50709847)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 英語学習 / 読み書き障害 / タブレット端末 / デジタル教材 / 3D教材 / 書字 |
研究実績の概要 |
2018年度の研究では,前年度の継続課題として,発達性読み書き障害児の英語学習支援を目的とし,(1)英語のアルファベットの表現方法の検討,(2)文字認知に関する検討を行った. (1)の英語のアルファベットの表現方法については,前年度の知見に基づき,文字の3D表現において,奥行き情報に,グラデーションを付加した表現を取り入れ,6種類の3D文字(単色2種類、グラデーション4種類)を作成した.この3D文字を用いて,読み書きの習得に困難を示す小児および成人を対象に,文字構造のわかりやすさに関する調査を実施した.その結果,背景色と文字色のコントラスト比が大きく,グラデーションにおいても,書き始め点が背景色とコントラスト比が大きいものがわかりやすい可能性があることが示唆された. (2)文字認知に関する検討では,(1)の参加者を対象に,形状が似ているアルファベット(bとdなど)の認知に関する調査を行った.その結果,対象者の約4割は,形状が似ているアルファベットを読み間違う可能性があることがわかった. 今回の調査において,参加者はこれまで英語のアルファベットを学習した経験のある者であった.しかしながら,形状が似ているアルファベットにおいては,定着しにくいと考えらえる.今回の結果は,これまでの発達性読み書き障害児の文字認知に関する先行研究と合致し,今後の検討として,3D文字を用いた英語学習において,文字の形状を長期間定着させることができるか検討を行いたい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度では,英語学習教材に適した3D文字の検討を行うことができた.2019年度では,教材の設計を行い,学習効果の計測ができるよう進めて行きたいと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は,2018年度の知見に基づき,携帯情報通信端末で活用できる英語学習教材の開発を行い,その学習効果について検証を行う.また、文字認知に関する調査を継続し,発達性読み書き障害児のための英語学習支援モデルの提案を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)計画していた学習効果に関する調査が実施できなくなったため、次年度使用額が生じた。 (使用計画)2018年度の繰越分は,研究成果発表(旅費およびその他),実験で使用するソフトウェアと機材(物品費)に充当する予定である。
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