本研究はヒストンメチル化酵素G9aが細胞増殖関連遺伝子の統合的な発現制御機構を明らかにする事を目的とした。その結果、G9a欠損細胞ではRunx2発現が変動せず、Runx2制御化のFgfrs(増殖関連遺伝子)、Osteocalcin(分化マーカー遺伝子)の発現が抑制される事、Fgfrs、Osteocalcinの転写調節領域にG9aとRunx2が共に結合する事、内在性のG9aとRunx2が結合する事、G9aがRunx2の転写活性化能を亢進する事、が明らかになった。以上から、G9aが前駆骨芽細胞の増殖・分化に関わる遺伝子の転写調節をつかさどるRunx2の転写制御複合体の一員である可能性が示唆された。
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