研究課題/領域番号 |
17K18213
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
石橋 謙一郎 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤講師 (80714609)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | FISH法 / 唾液腺腫瘍 / 特異的キメラ遺伝子 |
研究実績の概要 |
唾液腺腫瘍の病理組織像は多彩であり、組織学的形態では診断に苦慮することもある。近年、唾液腺腫瘍において特異的キメラ遺伝子が多く報告され、診断の一助となっている。申請者は以前より遺伝子異常による唾液腺腫瘍のサブグループ化を行うために、これまで、多形腺腫におけるPLAG1およびHGMA2遺伝子異常、多型腺癌におけるPRKD1,2,3遺伝子異常および腺様嚢胞癌におけるMYB-NFIB, MYBL1-NFIB特異的キメラ遺伝子に関してPCRおよびFluorescence in situ hybridization(FISH)法を施行し、遺伝子異常の有無と臨床病理学的な検討を行っている。現在、whole-slide FISHとwhole-slideでのヘマトキシリンエオジン染色および各種免疫組織化学を施行し、タンパク発現等を細胞レベルで対比を行っている。それぞれの唾液腺腫瘍は、腫瘍内で前述したように多彩な細胞形態をとり、それぞれの細胞形態とタンパク発現と遺伝子異常の発現を腫瘍内部での相違を明らかに腫瘍形成にかかわる細胞を同定を行い、発癌に関与する異型細胞を明らかにしている。現在は、FISHでの特異的なキメラ遺伝子の解析をより適正化し効率的に行うために、コンピュータによるに自動解析にも取り組んでいる。本研究で唾液腺腫瘍を解析し、上記の唾液腺腫瘍におけるキメラ型遺伝子異常の持つ臨床病理学的意義および腫瘍内での特異的キメラ遺伝子の分布を明らかにし、唾液腺腫瘍の遺伝異常を基にしたサブグループ化を行い、臨床に役立つ新たな診断基準と治療指針を確立する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究は前述のように唾液腺腫瘍の中でも、腺様嚢胞癌、多形腺腫および多型腺癌での特異的キメラ遺伝子の検出を行い、腫瘍ごとに分別を行っている。しかしながら、slideによる解析および撮影に時間を要し、解析の遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、多形腺腫、多形腺癌 腺様嚢胞癌でのFISHを行い、遺伝子異常の有無を判定するには至っている。しかしながら、whole-slide FISHに関しては、撮影機器の問題もあり、撮影に遅延が生じたため、画像解析の遅れを生じている。現時点では、報告が可能なレベルまでの解析が進んでいないため、他施設の協力を得ながら、症例の解析と撮影の遅れを取り戻すべく、研究を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
whole-slide FISHの画像解析及び臨床病理学的解析が遅延したため、本年度にも引き続き実験の追加のため、FISH用にprobeの作成、免疫組織化学への抗体などの試薬の購入および論文の発表、校正に使用する予定である。
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