研究課題/領域番号 |
17K18227
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
荻野 妃那 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (40761888)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 2型糖尿病 / ラオス / セルフケア / 健康信念 |
研究実績の概要 |
令和4年度は、令和2~3年度にラオス国の中核病院の糖尿病外来に通院している2型糖尿病患者を対象に、糖尿病セルフケアと糖尿病に関する健康信念について質問紙調査を行った結果を集計した内容を第26回東南アジア看護研究者フォーラム(EAFONS)にてポスター発表を行った。 学会発表では、糖尿病セルフケアを従属変数にした際に、教育レベルが高校卒業未満の場合は、糖尿病に関するセルフケアを実施している割合が統計的に有意に少なく、患者の年代によって教育レベルが大きく異なるラオスにおいては、患者指導の際に、患者の教育レベルに合わせた指導が必要であることを報告した。 さらに隣国タイ王国における2型糖尿病患者に対する介入研究等についての報告を聞き、今後の研究の参考にすることができた。その後、共同研究者であるラオスの看護師に日本での糖尿病看護ケアの現状を知ってもらうため、日本の糖尿病センターを併設する病院や高齢者の糖尿病患者ケアを実施している高齢者福祉施設への視察見学を実施した。糖尿病センターでの見学では、医師、看護師、糖尿病療養指導士、栄養士らによる講話や実際の資料をみながら、日本での糖尿病教育入院の実際を学ぶ機会を提供することができた。具体的な資料や食品モデルなどの媒体を用いた健康教育の実施に向けてラオス人看護師がイメージすることができた。 学会発表後は、各属性(年齢、性別、教育レベル、BMI)ごとに、各設問の回答の特徴を再度見直し、どの対象者に糖尿病の健康教育を実施するべきかを検討している。糖尿病予防の健康教育の内容については、日本の病院を視察した結果を基に、リーフレットやフードモデル等、効果的な教育方法について検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響のため、調査集計においてラオスを訪問することが難しく、ラオス側の共同研究者のとの打ち合わせが、予定通り行うことができなかっため、分析結果を踏まえた看護介入の検討にやや遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、調査結果を踏まえて、ラオスの中核病院の糖尿病外来における2型糖尿病患者の特徴をまとめ、患者に教育する際に効果的な健康教育の方法を検討する。当初は、看護師に対する糖尿病看護ケアの介入までを想定していたが、2型糖尿病の外来患者の特性を整理し、効果的な糖尿病看護教育の方法について検討する方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定では、ラオスを訪問し調査結果の報告や今後の研究について検討していく予定であったが、新型コロナウイルス感染症のため、訪問が不可能であったため当該助成金が生じた。今年度はできるだけラオスを訪問し、糖尿病看護教育の効果的な方法について、ラオス側の共同研究者と検討する予定である。
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