当該期は、外交史研究において最先端の時期である。なぜならば、外交史料の機密指定が約30年で解除されるため、現在、この時期の公文書が続々と開示されているからである。当該期に関する一次資料に基づいた実証的研究は、米ソ関係を中心に着手され始めているが、日米関係に関するものは緒に就いたばかりである。さらに、先行研究はもっぱら日本の防衛政策に的を絞っているため、米国の対日政策決定過程は未解明である。現在ならば実際に当時の政策決定者にコンタクトをとることができ、かつ、一定量の資料にアクセスすることができる。冷戦終焉期を今日扱う本研究の意義はここにある。
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