卵子成熟に伴う卵内物質変化と受精能との関係性を評価した。hCG投与後13h、15h、18h、24hの卵子からラマンスペクトルを取得し、主成分分析を行って卵子成熟に伴う分子組成変化を導出した。主成分1によって24hのデータセットが他実験区から分けられ、不飽和脂肪酸の相対濃度が過熟胚で高くなっていることが示された。また主成分4により15hの胚で均一的にリン酸濃度が高く、リン酸のバンド強度比から、過熟胚が酸性に傾いている可能性が示された。そしてレーザー照射後の卵子に体外受精を施し、胚盤胞への発生率を調べた結果、発生率50%という良好な結果が得られ、レーザーによる影響はほどんど検出されなかった。
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