研究課題/領域番号 |
17K18269
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研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
石谷 治寛 京都市立芸術大学, 芸術資源研究センター, 非常勤講師 (70411311)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アーカイブ / パフォーマンス / エコロジー |
研究実績の概要 |
1980年代以降の芸術実践における外傷の再演という主題に関して、AIDSをめぐる京都での活動の資料整理と、国際的な動向に関する調査が本研究の課題である。 2020年度はコロナ禍のため予定していた研究が十分に進まなかったが、日本の動向の調査に関して、2019年度中に行った資料展の記録集『ヒューマンライツ&リブ博物館――アートスケープ資料が語るハストリーズ』を編集・印刷することができた。さらにオンライン配信のイベントが頻繁に行われるようになるなかで、故古橋悌二氏の生誕祭の第5回目「Lovers60: Teiji Furuhashi Birthday Bush」(7月12日京都メトロ)で、過去の記録映像を編集してライブイベントの中で配信する試みに参加した。アーカイブ資料や映像をライブ配信で再活用するための知見を得ることができた。まだデジタル化できていない資料も残っているが、インタビューの書き起こしを含む本記録集で、概ね当時の状況を整理することができた。 また国際的な動向に関する調査としては、ジョーン・ジョナスやピエール・ユイグなど自然環境と人間や動物の関係を、パフォーマンス・映像・インスタレーションで再演する美術家の展覧会のレビューやインタビューを行い国際的な動向についての研究を深めた。2020年の2月末から3月初旬にかけてアムステルダムを中心にオランダの都市とアーカイブやメディアアートの保存に関する調査を行なったが、その一端を京都市立芸術大学芸術資源研究センター紀要にて公表することができ、同時代の京都とアムステルダムを比較して考える視点を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍でのオンライン授業への切り替えなど、様々な対応に追われるなか、とりわけ海外調査の予定が行えなかった。 その代わり、NASなどを導入し、過去にデジタル化した資料や映像などの整理を行うことができたのは成果であり、今後のライブ配信などに再活用するためのワークフローを模索することができたのは新しい成果だと言える。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も引き続き、コロナ禍の状況で、いくつか調査を行うべき展覧会などが行われているが、断念せざるを得ないと考えられる。外傷とアートやその再演については、すでにこれまで論考をさまざまに発表してきたが、2021年度はそれらの論考をまとめ、リライトする事で、これまでの研究の一部を総括し、単著としてまとめられるように努める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため予定していた海外出張が不可能になったため。
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