研究課題/領域番号 |
17K18272
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
福元 喜啓 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (30636121)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 超音波画像診断装置 / 筋内脂肪量 / 脳卒中片麻痺 |
研究実績の概要 |
本年度は,脳卒中片麻痺者の比較対照としての健常高齢者の測定を行った。 対象者のリクルートは,本学が実施する地域在住高齢者の体力測定会にて行い,研究参加の同意が得られ包含基準に合致する34名を測定した。 測定した内容は,超音波画像診断装置による筋量・筋内脂肪量(腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋,大腿四頭筋,前脛骨筋,下腿三頭筋),握力,下肢筋力,運動能力(Timed Up and Go test,6分間歩行テスト,4m歩行速度.立ち座りテスト,片脚立位),および生活機能,疼痛,転倒歴,転倒恐怖などのアンケートであった。これらの測定は,研究代表者や協力者,測定補助者が実施した。 測定データは研究協力者およびデータ入力補助者がエクセルに入力・整理した。研究代表者が,統計手法を用いて横断解析を行った。解析内容として,麻痺側・非麻痺側の筋量・筋内脂肪量およびその他の計測値を脳卒中片麻痺者と健常高齢者との間で比較した。健常高齢者と比較した結果,脳卒中片麻痺者の麻痺側の大腿四頭筋は筋量低下を認めなかったが,筋内脂肪量の有意な増加を認めた。一方で非麻痺側の大腿四頭筋の筋量は健常高齢者よりも有意に大きかった。また,麻痺側の下腿筋群は,筋量減少と筋内脂肪量増加の両方を示した。体幹筋に関しては,麻痺側・非麻痺側ともに筋量減少・筋内脂肪量増加は認めなかった。これらをの結果をまとめ,学会発表および国際学術雑誌投稿のための準備を行った。 また,測定に参加した対象者に対し,個人の測定結果を研究協力者が紙媒体でお渡しし,口頭で説明を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた目標対象者数によりも少ないが,脳卒中片麻痺の研究参加者とは同数程度の健常高齢者の測定を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度には,2年前(平成29年度)にベースラインの測定を受けた脳卒中片麻痺者に対し,フォローアップ測定として再度同じ測定を受けてもらう。そのうえで,2年間の筋量・筋内脂肪量の変化量を調べ,筋による筋萎縮や筋内脂肪増加の程度の違いを検討する。また,筋量・筋内脂肪量の変化量と生活機能や要介護との変化との関連性を検討する。
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