• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

高速回転式LED送信機を用いたカメラ型可視光通信の高速化及び全方位受信の実現

研究課題

研究課題/領域番号 17K18282
研究機関岡山理科大学

研究代表者

荒井 伸太郎  岡山理科大学, 工学部, 講師 (10599195)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード可視光通信 / LED / イメージセンサ
研究実績の概要

カメラを受信機に用いた可視光通信では,通信速度がカメラの撮影速度に依存して決まるため,一般的な市販のカメラを用いた場合,通信速度は非常に低速になってしまう問題がある.この問題を解決するため,本研究では送信機自体が高速回転する「高速回転式LED送信機」を提案する.送信機を撮影速度以上の速さで回転させることで,LEDの時間方向の点滅を画像の空間方向(水平方向)で捉えられるようになり,可視光通信の高速化を実現できる.加えて,回転させたLED送信機であれば,受信機はどの方角からも同じ明るさのLED画像を撮影できるため,可視光通信の全方位(360°)受信も可能となる.
平成29年度は本申請研究の要である「高速回転式LED送信機」の開発に注視した.開発した送信機は,カメラの撮影対象となるLED点滅部と,これを回転させる回転機構によって構成される.LED点滅部は縦方向に並んだ9個のチップLEDと,これを制御するArduino nanoにより構成されている.回転機構に用いるモーターにはブラシレスモーターを用い,送信機に取り付けた回転軸と連動させる構造とする.また,LED点滅部の回転角を検出するためロータリエンコーダーを使用し,LED点滅部と共に回転するように設置する.
回転式LED送信機の動作について説明する.まず,モーターによってLED点滅部が垂直方向の軸を中心に時計回りに回転する.この時,共に回転するロータリーエンコーダーは1度回転するごとにパルスを出力するように設計しており,そのパルスをLED点滅部が受け取る.そして,そのパルスに応じてLEDの点滅,つまり送信データが切り替わるように動作する.実際に動作した結果,回転角1度ごとに点滅が切り替わることを受信機であるカメラで確認し,これにより,送信機の開発に成功したといえる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度は本研究課題の要である「高速回転式LED送信機」の開発に注視することを目的としており,研究実績の概要で述べたように,その送信機の開発に成功した.また,開発した送信機を実際に回転させ,受信機であるカメラで撮影し,画像解析を行い,カメラが撮影した1枚の画像の中に,LEDの点滅を複数捕らえることを確認できた.これにより,送信機の回転によって,通信速度向上が期待できる結果が得られたと言える.

今後の研究の推進方策

平成30年度は,開発した送信機を元に受信アルゴリズムの開発に注視する.具体的には,低撮影速度のカメラを用いて,回転するLED送信機を撮影し,その撮影画像からLEDの点滅部を検出するための検出アルゴリズム,及び,検出されたLED点滅部からデータを取得する復調アルゴリズムを開発する.これら受信アルゴリズムの開発に加え,可視光通信に関する研究調査のため,国内研究会及び国際会議に出席する予定である.さらに,得られた成果を国内研究会及び国際会議で随時発表する所存である.

次年度使用額が生じた理由

当初,回転式LED送信機の開発で購入する予定のモーターとLED点滅制御に用いる回路に高額機器を用いることを想定していたが,設計を進めていく中で,当初のものより安価なモーターと制御回路を用いることに方針転換したため,次年度使用額が生じた.そこで,平成30年度はこの次年度使用額を用いて,開発した回転式LED送信機の改良を行う.また,本研究の成果を学術論文や国際会議で積極的に発表するために,この次年度使用額を用いる.

備考

「Communication System Laboratory」は研究代表者である荒井のWebページです。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] A Study on Image Division Approach for Signal Demodulation Method Incorporating Reliability Determination in Image-Sensor-Based Visible Light Communication2018

    • 著者名/発表者名
      Zhengqiang Tang, Shintaro Arai, Tomohiro Yendo
    • 学会等名
      2018 RISP International Workshop on Nonlinear Circuits, Communications and Signal Processing (NCSP'18)
    • 国際学会
  • [学会発表] A Fundamental Study on Computational Cost Reduction for Signal Demodulation Method Based on Pseudo-Captured Image in Image-Sensor-Based Visible Light Communication2017

    • 著者名/発表者名
      Zhengqiang Tang, Shintaro Arai, Tomohiro Yendo
    • 学会等名
      2017 Taiwan and Japan Conference on Circuits and Systems (TJCAS 2017)
    • 国際学会
  • [学会発表] A Study on Computational Cost Reduction Using Image Division Approach for Data Demodulation Method in Image-Sensor-Based Visible Light Communication2017

    • 著者名/発表者名
      Zhengqiang Tang, Shintaro Arai, Tomohiro Yendo
    • 学会等名
      International Conference on Materials and Systems for Sustainability 2017 (ICMass2017)
    • 国際学会
  • [備考] Communication System Laboratory

    • URL

      http://vlc.sakura.ne.jp/

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi