研究課題/領域番号 |
17K18282
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
荒井 伸太郎 岡山理科大学, 工学部, 講師 (10599195)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 可視光通信 / LED / イメージセンサ / 回転 |
研究実績の概要 |
カメラを受信機に用いた可視光通信では,通信速度がカメラの撮影速度に依存して決まるため,一般的な市販のカメラを用いた場合,通信速度は非常に低速になってしまう問題がある.本研究課題では,送信機自体が高速回転する「高速回転式LED送信機」を提案し,この問題点の解決に努めている. 令和2年度は,前年度までに開発した「高速回転式LED送信機」と,その送信機からのデータを受信するための受信アルゴリズムを用いた通信シミュレーションおよび通信実験を行い,両結果から本通信方式の有効性・妥当性を検証した.具体的には,送信機と受信機を向かい合わせて設置し,送受信機間の通信距離を変化させながらビット誤り率(BER)を測定した.その結果,シミュレーションで得られたBER特性のカーブと,実験で得られたそれとがほぼ同様の特性を示した.つまり,これにより,本通信実験の妥当性が確認できたと言える.さらに,本通信システムの通信速度が従来手法の60倍の通信速度を達成したことも確認した. これらの研究成果の一部を学術論文(IEICE Communications Express(2020年9月), 電子情報通信学会英文論文誌A(2021年1月))として2編,国際会議(IEEE Globecom WS: OWC,2020年12月)で1件,国内研究会(電子情報通信学会総合大会(2021年3月),ワイドバンドシステム研究会(2020年12月,2021年3月))で4件発表した.これに加え,現在,本研究に関連した新たな論文を執筆中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の「研究実績の概要」で説明した通り,高速回転式LED送信機を用いた可視光通信システムをシミュレーションおよび実験の両方から検証し,実験の妥当性,本手法の有効性の両方を確認できた.さらに,本研究課題に関連した研究業績も発表出来ていることから,現在のところ,本研究課題の進捗はおおむね順調であると言える.
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今後の研究の推進方策 |
上述の通り,本研究課題に関連した新たな論文を執筆中であり,追加実験を行いながら,今年度中に投稿する.また,本来なら令和2年度中に、国際会議にて,本研究成果の一部を発表予定であったが,COVID-19の感染拡大の影響により,会議の開催がキャンセルとなってしまった.キャンセルされた会議は現在のところ今年度開催予定であるため,その国際会議にて成果を発表したいと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の成果発表として2020年に参加予定だった国際会議および国内会議がキャンセルもしくはオンライン開催となり,本研究費を旅費として使用することができずなかった.そこで,2021年度では今年度中に開催予定の国際会議もしくは国内会議にて,本研究成果を発表する経費として使用する.
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備考 |
「Communication System Laboratory」は研究代表者である荒井のWebページです.
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