カメラを受信機に用いた可視光通信では,通信速度がカメラの撮影速度に依存して決まるため,一般的な市販のカメラを用いた場合,通信速度は非常に低速になってしまう問題がある.本研究課題では,送信機自体が高速回転する「高速回転式LED送信機」を提案し,この問題点の解決に努めている. 令和3年度は,前年度に引き続き開発した「高速回転式LED送信機」と,その送信機からのデータを受信するための受信アルゴリズムを用いた通信シミュレーションおよび通信実験を行い,両結果から本通信方式の有効性を評価した.さらに,回転式LED送信機を受信機であるカメラが撮影した画像から検出する手法を考案した.本研究の成果の一部を学術論文(IEEE Photonics Journal(2021年8月、2022年2月)で2編、国内研究会(電子情報通信学会 ワイドバンドシステム研究会(2021年7月)及び電子情報通信学会 革新的無線通信技術に関する横断型研究会 (MIKA,2021年10月)で2件発表した.特に、MIKAでの発表は招待講演であり、可視光通信に関する研究及び回転式LED送信機の技術を紹介した。聴講者からはLEDを回転させるというアイデアを斬新だと高く評価していただいた。
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