研究実績の概要 |
昨年度までにリチウム塩の添加による結晶性フッ素樹脂(poly(vinylidene fluoride))とイオン液体(1-ethyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethylsulfonyl)amide)からなるイオン液体ゲルの融点上昇や相分離と結晶化の競合による多孔構造の形成を系統的に評価した。また、高温下でのFT-IR測定を行い、PVDFへの溶媒和、リチウム塩とイオン液体との錯体形成を評価して融点上昇や相分離を引き起こす分子論的起源を明らかにした。これらの結果をまとめて論文(RSC Advances, 8, 40570-40580 (2018).)として成果発表を行うに至っている。また、多孔構造の制御とその形成機構を詳細に理解するために、リチウム塩だけでなく、他のアルカリ金属塩を用いた研究を実施している。他のアルカリ金属塩を用いた場合にも融点上昇と相分離が発生することを確認できた。
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