研究課題/領域番号 |
17K18290
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
野瀬 由佳 安田女子大学, 家政学部, 講師 (60634194)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 健康教育 / 事故防止 / 栄養補給 |
研究実績の概要 |
2018年度は,348名を対象に登山活動時の食事や行動食の現状および登山食に求められる条件等を調査した。登山活動時の食事は,おにぎりと手作り弁当が多く,登山経験回数が多いものほど,おにぎり単品摂取割合が上昇した。行動食は持参しないが約60%であった。登山食で食べたいものは,登山経験の回数に関わらず,のどごしの良いものという回答がもっとも多かった。登山活動では,持参しているものと食べたいものは必ずしも一致しなかった。登山活動時の食事で重視する条件としては,重量がもっとも多く,行動食においては,甘味があるものが多かった。登山経験者は,荷物の重量を減らすため食事を制限する可能性が考えられた。 アンケート調査で得られた条件をもとに,2017年度に開発した昼食と行動食の登山レシピ内容を修正した。レシピは,登山活動時に必要なエネルギーや栄養価を満たしたものとした。成人女性10名を対象に,登山用の調理器具および食材をザックに入れ,登山活動を行った。頂上で昼食と行動食の計2品を作成し、昼食は頂上で摂取し、行動食は昼食後から下山までに摂取した。摂取後、食材およびレシピに関する評価アンケートを実施した。重量については,適切と回答とした対象者が昼食の豆乳パスタでは8名,行動食のグラノーラ―バーでは7名であった。しかしながら,登山活動に持参し調理したいと回答した対象者は昼食が7名,間食が0名と重量に比較し少なかった。昼食,間食とも「分量が多い。」という意見が多くみられた。これらのことから登山活動による疲労や食欲減退等がみられたことが要因であると考えられた。2019年度は,登山活動時の生理学的変化の特性を考慮しレシピを再考していく必要性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は,対象者数を増やしフィールド調査を行う。2018年度のアンケート調査およびフィールド調査によって,レシピ再考の必要性および方向性が明らかになり,2019年度のフィールド調査にむけて新たな評価項目等も検討することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は,以下の研究課題を行う。 研究課題①登山食レシピの開発 2018年度の結果からレシピを再考し,重量や嵩に関する負担度,調理手間や嗜好性の適切性について評価を行う。 研究課題①開発した登山食レシピの有用性の検討 宿泊登山を行う成人男女を対象に,開発したレシピを摂取した際の尿中成分等の生理学的指標および心理学的指標の変化を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 来年度に行うフィールド調査のためのパイロット実験として2018年度に複数の機器を購入する予定にしていたが,調査項目の再検討が必要となった。 (購入計画) 調査項目の変更により,購入機器の変更を行い2019年度に計上する。
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