研究課題/領域番号 |
17K18290
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
野瀬 由佳 安田女子大学, 家政学部, 講師 (60634194)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 登山活動 / 行動食 |
研究実績の概要 |
2019年度は,研究課題Ⅰ.登山経験者を対象とした行動食の実態調査および研究課題Ⅱ.行動食摂取の有無による生理応答の比較について検討した。 研究課題Ⅰは,登山経験者24名を対象に,1泊2日の登山活動時に持参した行動食の内容および行動食選択の際に重視した条件等について自記式アンケートを行った。山行時の推定エネルギー消費量は,女性が約1,700kcal,男性が約2,500kcalであった。対象者の持参した行動食のエネルギー量は818±390(133-1561)kcalであり,すべての対象者が不足していた。登山経験を有する対象者においては,栄養バランスよりも,必要エネルギー量の確保について優先して教育していく必要性が考えられた。 研究課題Ⅱは,成人女性8名を対象にトレッドミルを用いた登山シミュレーション歩行による調査を行い,それぞれ異なる2日間に,歩行2時間前に食事を摂取しない非摂取条件と食事を摂取する摂取条件の2条件を測定した。心拍数は両条件間に有意差はみられなかった。歩行前,歩行終了直後,歩行30分後において,非摂取条件の疲労感,眠気,空腹感(Visual Analogue Scale : VAS)は,摂取条件と比較し有意に高く(p<0.05),集中力(VAS)は有意に低かった。これらのことから,登山前の食事摂取は,登山活動時の精神的負荷を軽減させる可能性が考えられた。 2020年度は,開発した登山食レシピを摂取した際の体温,心拍数,尿中成分などの生理学的指標の変化について検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度は,宿泊登山を行う成人男女を対象に,開発したレシピを摂取した際の登山活動時の尿中成分および心理学的指標の変化を検討する計画を立案していた。しかしながら,測定項目の見直しにより研究計画を変更したため,2名のみの測定となった。このため,残りの対象者の測定を2020年度に行う。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は,以下の研究を計画する。 研究課題Ⅰ.行動食摂取の有用性に関する検討 成人男女を対象に,登山時の行動食摂取の有無が生理応答に及ぼす影響について検討する。 研究課題Ⅱ.開発した登山食レシピの有用性の検討 登山経験者を対象に,開発したレシピを摂取した際の登山活動時の体温や尿中成分等の生理学的指標および心理学的指標の変化を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は,宿泊登山を行う成人男女を対象に,開発したレシピを摂取した際の登山活動時の尿中成分および心理学的指標の変化を検討する計画を立案していた。しかしながら,測定方法の見直し等が必要となり,2019年度は2名のみの測定となった。2020年度に被験者を増やして調査を継続するため,上記の研究課題にかかる費用を2019年度に計上した予算から支出する。
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