研究課題/領域番号 |
17K18290
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
野瀬 由佳 安田女子大学, 家政学部, 講師 (60634194)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 登山食 / 味覚閾値 |
研究実績の概要 |
これまでに開発した登山食の嗜好調査において,登山前と登頂後の嗜好調査の評価に違いがあることが明らかになった。そこで,2020年度は,階段歩行前後の味覚閾値の違いについて検討した。対象者は,健康な成人女性8名(年齢21.5±0.5歳,身長159.5±5.7㎝,体重50.8±2.0㎏)とした。月経周期の影響を考慮し,測定は全て卵胞期に測定した。測定項目は,味覚感受性(官能ディスクペーパー)及び口腔水分値(口腔水分計ムーカス)とした。対象者は,100bpmの速さで階段昇降を20分間行い,歩行前後に味覚感受性と口腔水分値を測定した。味覚感受性は,甘味,塩味,酸味,苦味の4味を4段階で評価し,感受性の最も低いものを1とした。口腔水分値は,歩行前後に有意な差はみられなかった。甘味と塩味の味覚閾値は,階段歩行後に低下がみられた(p<0.05)。味覚閾値の低下は,低い濃度で味を感じることを示す。登山食では,消費されたエネルギーの確保や筋グリコーゲン補充のため,適切な糖質量を確保することが必要である。また,発汗により失われたナトリウムも行動食や登山食で補う必要がある。しかしながら,甘味や塩味の強い行動食や登山食は食欲低下などにつながる可能性も考えられた。これらのことから,2021年度は,これまで開発した登山食の甘味や塩味を減らしたレシピを再考し,それらの有用性を検討していく必要性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は,宿泊を伴うフィールド調査を中心に研究計画を立てていたが,新型コロナウィルスの流行により,調査場所への移動や測定に伴う対象者への接触などが困難となり,一時的に研究を中断したため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も,新型コロナウィルス感染予防の観点から,フィールド調査が難しい可能性がある。その場合は,感染対策が十分に出来る研究室内での測定に変更することも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は,宿泊を伴うフィールド調査を中心に研究計画を立てていたが,新型コロナウィルスの流行により,研究が中断した。このため,当初計画していた旅費や人件費などを使用しなかった。2020年度に行うことの出来なかったフィールド調査は,2021年度に再計画をしている。しかしながら,引き続きフィールド調査が困難な場合に備え,新型コロナ感染対策が十分に出来る研究室内で行えるように研究計画を立案している。
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