研究課題/領域番号 |
17K18291
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
山本 めぐみ 広島国際大学, 保健医療学部, 助教 (50412333)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 血管造影 / DSA / 人工知能 / ニューラルネットワーク / アンギオ |
研究実績の概要 |
呼吸停止を必要とせず、かつ、造影前撮影を必要としないDSAの手法を開発することにより,患者の被曝線量の減少と検査時間の短縮が可能となる. 本研究は,近年多くの領域で利用されている深層学習を用いて,上記の課題を解決し,多様な動きに対してもモーションアーチファクトを生じない,かつマスク像の撮影を必要としない新しい3D-DSA法の開発を行うことを目的とする.本研究では3D-DSAのマスク画像作成に,深層学習の一種であるコンボリューションネットワーク(CNN)を使用する.これは画像認識において物体検出や,分類等に使用されている.本研究ではライブ画像(造影後の血管の映った画像)からマスク画像(血管のなし画像)を作り出す画像処理に,直接,深層学習を使用する点に研究の特色・独創的な点がある.これにより造影前のマスク画像取得が不要になるため,任意の撮影角度でDSAが実施でき,かつ,患者と術者の被曝減少と検査時間の短縮に繋がる. 本研究では学習の基盤フレームワークとして深層学習(deep learning)を用いるため,平成29年度は,血管造影像の画像データベースの構築を行うことを実施計画とした.造影前画像および造影後画像のそれぞれについて,64×64や32×32など様々なサイズのピクセル領域(画像パッチ),画像データベースを作成した.ここで造影後の画像パッチは「入力データ」に,造影前の画像パッチは「教師データ」に対応する.ニューラルネットワークの効率的な学習を行うため,使用する画像については,角度ごとの画像全体ではなく,一定のROIのサイズに画像を切り取って画像パッチの集合とし,学習用データセットとして使用した.また,画像パッチの大きさと数の最適値については,さらに検討を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度は,学習の基礎的フレームワークとして深層学習(deep learning)を用いるため,血管造影像の画像データベースの構築を行うことを実施計画とした.造影前画像および造影後画像のそれぞれについて,64×64や32×32など様々なサイズのピクセル領域(画像パッチ),画像データベースを作成した.ここで造影後の画像パッチは「入力データ」に,造影前の画像パッチは「教師データ」に対応する.ニューラルネットワークの効率的な学習を行うため,使用する画像については,角度ごとの画像全体ではなく,一定のROIのサイズに画像を切り取って画像パッチの集合とし,学習用データセットとして使用した.予備的な学習を行い,最適値を明らかにすることまでを計画していたが,この部分が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策としては,学習用データの作成を完成させ,ニューラルネットワークを用いた学習システムを構築し,ニューラルネットワークモデルの作成・学習および最適化を行っていく.具体的には,まず基礎的な学習の枠組みとしてニューラルネットワークを用いる.ニューラルネットワークを用いるためのコンピュータハードウェアおよびソフトウェアを構築する.用いるニューラルネットワークモデルは大規模になることが予想されるため,ハードウェアにはGPUを用い,ソフトウェアにも大規模モデルに対応できるミドルウェアを導入する.続いて,様々なタイプのモデルを作成し,画像データベースのデータを用いて学習を行って,結果として出力される画像の画質を元に,モデルの層数や学習パラメータを変更させ,モデルの最適化を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究に必要な性能を満たす高性能コンピュータの販売が遅れたため。 対象の物品は翌年度に購入可能となる予定であり、購入可能となり次第導入し、ニューラルネットワークの学習と推論を行うために使用する。
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