(1)本研究で開発された手法で得られるDSA画像の画質評価を行った.本手法を用いて得られたDSA像を,従来法で得られたDSA像と比較しながら,画質の主観的評価と客観的評価を行った.また,血管造影像と研究で得られたDSA像についても同様の比較を行い,得られたDSA像の臨床的有効性を評価した.また,客観的評価にはピクセル値の標準偏差を用いる方法と,ノイズの周波数解析による比較を行い良好な結果を得た. (2)本研究で開発された手法を,実際の医療現場で使用すること(臨床応用)を可能にするための処理速度向上を目指して,深層学習での学習段階における各種のパラメータを調整し,最適なパラメータを明らかにした(チューニング).また,複数のGPUとCPUで計算を分散させる並列処理を導入した.本研究では,2つのGPUと,24コアのCPUを用いて,効率よく学習処理を行い,それぞれの結果を統合することで学習済みモデルを得るしくみを導入した.さらに処理の最適化および高速化を行い,上記のシステムであれば,ほぼリアルタイムで,血管画像を入力し出力としての処理結果(DSA画像)を得ることができた.ことで,実際の臨床現場で本開発手法の使用が可能なシステムに近づけた.さらに,モデルの構造,学習パラメータ,学習アルゴリズム等について微調整を繰り返し行い,出力画像が良好な画質であり,かつ高速処理が実現できるようシステム全体の最適化を行った.
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