エクソソーム研究は、がんの診断マーカーの探索やドラッグデリバリーシステム (DDS) の領域で盛んに行われている。本研究では、初めてエクソソームと神経障害性疼痛の病態悪化とを関連付けた。また、従来までのエクソソーム研究がバイオマーカーの探索等で着目されたエクソソームの内腔に主眼を置いた研究であるのに対し、本研究におけるアプローチは膜外領域である二重膜上の膜タンパク質に着目している点で大きく異なる。エクソソームと病態進行との関連性に焦点を当てることで、病態の解明や創薬、さらには老化や疾患の予防といった健康増進を指向した応用研究への移行にも貢献できるものと考える。
|