研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は,N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)取扱い作業者のリスク評価法の開発である.本研究では,高速液体クロマトグラフ-質量分析法を用いたDMAC尿中代謝物4成分の同時測定法を開発した.また,1名の取扱い作業者の尿中代謝物濃度測定を実施した.その結果,気中濃度0.15 ppmで尿中代謝物はN-メチル-N-ヒドロキシメチルアセトアミド(1.27 mg/g creatinine)とS-アセトアミドメチルメルカプツール酸(0.24 mg/g creatinine)のみが検出された.
産業衛生学
本研究は皮膚吸収が指摘されているDMACのリスク評価法として尿中代謝物4成分を同時に測定可能な方法を開発したことである.これまでのDMACの尿中代謝物濃度測定は,ガスクロマトグラフを用いたN-メチルアセトアミドの測定法であったが,このリスク評価法は測定精度に欠くという問題が指摘されていた.本研究により,精度の高いリスク評価法を検討するための方法が確立された.