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2018 年度 実施状況報告書

学校組織における分散型リーダーシップを下支えする管理職教員の役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K18314
研究機関就実短期大学

研究代表者

鎌田 雅史  就実短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (10610040)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード分散型リーダーシップ / 垂直型リーダーシップ / 教員の自律性 / 学校組織 / 学校改善
研究実績の概要

本研究の目的は,(1)学校組織における分散型リーダーシップの有効性・リスク・プロセスについて先行研究を整理・統合し実践的課題を明確化すること,(2)尺度作成により将来的な研究の基盤を構築すること,(3)分散型リーダーシップの有効性および,管理職教員によるリーダーシップの相互関係について実証的に検証することである。
本年度度は,主に(1)の理論研究および(2)の尺度作成を中心に研究を遂行した。理論研究により,伝統的な,一人の傑出したリーダーが組織を牽引することを前提とするリーダーシップモデルは他の成員の重大な組織貢献や,ルーティンを含む素朴なリーダーシップの意義を見落としてしまう可能性があり,複数のリーダーが相互に影響を及ぼしあいながら組織貢献していくプロセスを描くことを許容する分散型リーダーシップ理論は,学校におけるリーダーシップを詳細に記述し,改善を探る示唆を有することが明示された。一方で,分散型リーダーシップ理論は,研究者によってさまざまに定義されており,複数リーダーを許容する他のリーダーシップ理論(例えば共有リーダーシップ)等とどのように弁別可能であるかなどの問題点が指摘された。分散型リーダーシップを測定する尺度作成に関しては,James Spillaneによる分散型リーダーシップ理論を基礎とし項目作成を行い,600名の現役教員(小学校300名,中学校300名)に対するインターネット調査を完了した。尺度の妥当性,信頼性の検証を行い,次年度に学会等で結果を公表する予定である。(3)の研究課題である,分散型リーダーシップと,垂直型リーダーシップの関連については,本年度の6月に開講される教員免許状更新講習において調査実施する予定であり,現在最終段階の調整に入っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度には,600名の小・中学校の現役教員を対象としたインターネットリサーチおよび,362名の現職教員を対象としたアンケート調査を実施することができた。この調査結果に基づき,現在,関連学会での発表と,学会誌への論文投稿を計画している。また,その成果の一部は,既に日本グループダイナミックス学会と,日本教育心理学会において発表し,関連領域の研究者から様々な示唆を得ることができている。
また,本研究の中核となる「分散型リーダーシップ」に関する理論研究を行い,その成果の一部論文として公表を行っている(鎌田(2019). 学校における分散型リーダーシップ理論に関する小展望 就実論叢, 48, 105-118)。

今後の研究の推進方策

今後は,分散型リーダーシップと従来型のリーダーシップとの関連を検討するための調査研究を予定している。調査は,2019年の6月から7月にかけて実施する予定であり,現在最終調整の段階である。また,これまでの2回の調査によって得られた知見を,関連学会の年次大会での発表や,論文執筆によって公表する予定である。最終年度にあたるので,本研究で得られた知見を整理し,報告書の冊子を作成し関連各所に公表する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 学校における分散型リーダーシップ理論に関する小展望2019

    • 著者名/発表者名
      鎌田 雅史
    • 雑誌名

      就実論叢

      巻: 48 ページ: 105-118

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 校長によるエンパワーメントリーダーシップが教員による組織市民行動に及ぼす効果2018

    • 著者名/発表者名
      鎌田雅史 三沢良
    • 学会等名
      日本教育心理学会
  • [学会発表] 学校組織における教員の組織市民行動に関する研究Ⅲ2018

    • 著者名/発表者名
      鎌田雅史
    • 学会等名
      日本グループ・ダイナミックス学会

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公開日: 2019-12-27  

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