研究課題/領域番号 |
17K18326
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
高橋 恭平 鹿児島大学, 共通教育センター, 助教 (20585492)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 片麻痺 / 健側手指 / 随意運動 |
研究実績の概要 |
研究協力機関であった鹿児島大学医学部付属病院霧島分院の閉鎖を受け、脳血管障害による片麻痺患者の方を被験者とする実験遂行が困難となった。そこで、健常者を対象として片側手指によるダイナミックな把持運動課題を5分間30%MVCの負荷で行う場合と負荷無しで同課題を行う場合の運動課題前後において、パルスアナライザープラスビュー(TAS9VIEW、YKC社)により自律神経系バランスの変化を比較・検証した。運動開始前のTAS9VIEWによる測定は、非運動手指から2分30秒間静寂な環境で座位による安静時に閉眼で行った。運動後の同測定は、2分間の座位による休息後、同測定を実施した。分析には、測定信頼度95%以上のデータのみを採用した。現在、分析途中であるが、30%MVC負荷ありで把持運動を行った場合、運動前に比べてTotal Power(TP)値が低下する傾向であった。TP値は自律神経系の全体的な活性度を評価していることから、TP値の低下傾向は筋疲労が影響しているものと考えられる。一方、負荷無しで同課題を行った場合は、30%MVC負荷あり程のTP値低下は見られなかった。今後、交感神経および副交感神経の詳細な分析も行い、これまでの臨床実験で得られてきた経頭蓋磁気刺激による中枢神経系興奮性評価を行ったデータの関連性を探る。また、同時に、患者さんを対象とした中枢神経系興奮性評価および自律神経バランス評価の検証機会も探り、n数の確保に努めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力機関の閉鎖という予期せぬ事態に遭遇し、当初想定していた患者さんを対象とした研究活動が一時停滞したが、健常者による基礎実験を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
脳血管障害による片麻痺患者の方を対象とした実験が困難となったため、こちらは機会を待ちながら、同時進行で健常者を対象とした基礎実験のデータを取り進める。これまで経頭蓋磁気刺激による中枢神経系の興奮性評価であったが、健常者においては自律神経バランス評価を実施しているため、そのデータの関連性を検証していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初申請時に予算組していた内容の多くは熊本―鹿児島間の旅費であったが、研究協力機関であった鹿児島大学へ異動したことにより、その旅費が浮くこととなった。一方、研究協力機関であった病院が閉鎖したことにより、研究計画に変更が生じたため、変更案に対応するための備品購入代に充当する。
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