現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H29年度は以下の点で進捗があった。 第1に、タンパク質コーディング領域内の体細胞および生殖細胞系列変異解析データの精査を行い、原因となる遺伝子異常を37症例について同定した。得られた変異候補の絞込みには、がん体細胞変異データベースとして、COSMICや TumorPortal を用いた。生殖細胞系列変異解析では、遺伝子多型データベースとして、内外の大規模データベース(ExAC, 1000 Genomes, ESP6500,ToMMo, HGVD)を利用した。検出した変異が病的なものか判定するために、遺伝子変異と病的意義を関連付けたデータベース(ClinVar, HGMD)を利用した。腫瘍における Loss of Heterozygosity (LOH)も変異検出に利用した。第2に、予後不良であるCNHサブタイプの中で原因遺伝子が不明となっている症例について全ゲノムシーケンス解析を行うため、原因遺伝子が不明な27症例の中から全ゲノムシーケンスが実施可能な症例を選定した。第3に、FFPEの特性に起因するノイズを情報学的に除去するためのプログラムを開発した。ノイズの識別には、mapping quality のほか、 soft-clipped reads や properly-paired reads の情報を利用した。また、体細胞変異データベースTumorPortalを用いた、ノイズ変異のフィルタリングも行った。本プログラムはアーカイブ(ホルマリン固定パラフィン包埋;FFPE)検体による変異の再現性の検討に利用する。
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