本研究では、大気中における揮発性有機化合物からの酸化生成物を数値モデルで網羅的に計算することを目的に、気相反応の化学メカニズムに基づくOA(有機エアロゾル)モデルを構築するとともに、大気中の粒子相反応の役割を評価するために、ダイマーの生成分解反応や粒子内拡散を明示的に計算するOA速度論モデルを構築した。その結果、詳細反応を考慮した化学メカニズムに基づく数値モデルでは反応性気体の壁沈着速度の不確実性の範囲でOH反応性を再現しており、OH反応性の観点で酸化生成物を網羅すること、および乾燥条件でのOAの蒸発速度を再現する上で、ダイマーの生成分解や粒子内拡散を考慮する必要があることを明らかとした。
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