研究課題
若手研究(B)
脊椎動物進化において筋の相同性が保たれてきたしくみについて、筋とそれを支配する脊髄神経の関係も進化上ほとんど変化がなかったことに注目し、胚発生の中でその関係がどのように確立し、どのような進化的変化が可能なのかを研究した。発生擾乱実験により、予想に反して神経軸索の相互作用は個々の筋原基が分かれる初期過程に重要な役割を持たない可能性が見出された。今後の研究フレームワークを提案した総説論文を発表した。
古生物学、進化発生学
脊椎動物進化の中で筋の相同性が保たれるしくみとして筋前駆細胞集団から個々の筋に分かれる過程に注目した先駆的な研究であり、その完全解明のための基礎となる。また、この解明を進めることで、脊椎動物の形態進化についてだけでなく、生物進化における制約や方向性について、あるいはどのようなときに新しい形態パターンが進化できるのかについての全般的理解につながっていくと期待される。