乳がん細胞がtamoxifen耐性を獲得する過程において、細胞集団内の「不均一性」が持つ生物学的意義を解明するため、tamoxifenを持続投与した乳がん細胞を1週ごとに分取し、増殖速度評価ならびに1細胞遺伝子発現解析を実施した。細胞増殖は、tamoxifen投与後3-6週にかけて停止するが、6週目以降で再び回復し耐性の獲得が認められた。1細胞遺伝子発現解析の結果、初期応答による不均一性の増大、細胞淘汰による減少、遺伝子変異の蓄積による再増加とみられる変化が観察されただけでなく、異なる性質を持つ2種類の耐性細胞亜集団の出現軌跡が不均一性の背景に存在することが見出された。
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