研究課題/領域番号 |
17K18371
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
竹内 誠 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 脳神経外科学, 助教 (30794127)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 再灌流障害 / 頭蓋内血腫 / 水素 / フリーラジカル |
研究実績の概要 |
初年度は、まず、尾動脈から採取した自己血を硬膜下に持続注入(350 µl、7分間)し、その後血腫を除去したラットモデル(急性硬膜下血腫除去モデル)において、酸化ストレスマーカーの上昇を確認した。そのうえで水素投与群、非投与群、sham群に分け、組織学的検討(Brain water content、TTC染色、Albumin染色、Nissl&TUNEL&Fluoro-Jade染色、Anti-LC3抗体染色、8-OHdG染色、MDA染色、MMP-2/9染色)、行動学的検討を行っている。現時点で解析は終了できていないが、水素投与による8-OHdG、MDA陽性細胞数の減少及び神経学的所見の改善を確認している。つまり、水素投与による酸化ストレス抑制による機能改善効果が示唆される。また、尾動脈から採取した自己血を脳内に持続注入(50 µl、5分間)し、その後血種腔内にrecombinant tPA (12 µl) を注入の上血種を吸引除去したモデル(脳出血除去モデル)においては、個体により血腫の除去率にばらつきがあることが確認され、治療介入前の神経所見にも個体間の差が大きいため、tPA注入量を調整する等、画一的なモデルを模索中である。なお、上記に記載したごとく、基礎実験が終了していないため、当初予定していた臨床研究(頭蓋内血種除去術を受ける患者への水素点滴投与効果の検討)については開始できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最適な脳出血除去モデルを模索中であり、当初予定していた基礎実験の進捗に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
脳出血モデルにおけるtPAの投与量を調整し、再灌流障害の観察に最適なモデルを作成でき次第、脳出血除去モデルにおける水素投与の効果を確認する予定である。臨床研究については基礎実験結果により検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗が当初の予定通りすすまなかったため次年度に繰越が生じた。次年度での解析に使っていく予定である。
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