肺神経内分泌腫瘍は,定型カルチノイド,非定型カルチノイド,大細胞神経内分泌癌(LCNEC),小細胞肺癌(SCLC)の主たる4組織型に分類されているが,その分子生物学的な発生メカニズムは明らかではない.今回私たちは,LCNECおよび非小細胞肺癌とLCNECとの混合型LCNECにおいて,遺伝子解析を行い,肺神経内分泌腫瘍の発生機序を体系的に明らかにし,新しい分子標的治療法確立への手がかりを得るための研究を行った.結果として,LCNECの遺伝子プロファイルは既報のSCLCのものに類似していた.混合型LCNECでは,各成分の組織学的な相違にも関わらず,遺伝子変異には比較的高い一致率が認められた.
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