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2018 年度 実績報告書

スピンドル波発生とその生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 17K18395
研究機関国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

三輪 秀樹  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神薬理研究部, 室長 (80468488)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード統合失調症 / スピンドル波 / 視床網様核 / パルブアルブミン / GABA作動性ニューロン / 睡眠 / 記憶
研究実績の概要

統合失調症患者において、高い再現性で睡眠障害が報告されている。その中でも、ノンレム睡眠中に観察されるスピンドル波発生の著しい異常が観察されている(Pinault D 2011)。スピンドル波は、0.2-2秒間の漸増漸減する12-16Hz帯域の律動脳波であり、感覚情報ゲーティング、睡眠依存性記憶固定化、注意など高次脳機能である認知機能に重要であり、その発生に重要な脳部位として、視床網様核(TRN)が考えられているが、スピンドル波発生の生理機能は十分には解明されておらず、このような多種多様な高次脳機能が視床網様核という1つの神経核でどのように実行されているかは不明な点が多い。ノンレム睡眠スピンドル波は,TRN・GABA作動性ニューロンにより、発生制御をされていると考えられている。また、統合失調症死後脳解析結果から、統合失調症患者の大脳皮質においてGABA合成酵素の一つであるGAD67の発現低下が報告されている。したがって、統合失調症患者におけるスピンドル発生異常の原因として、TRNでのGAD67発現低下が可能性が考えられる。そこで、本研究では、AAV-CreGFPをGAD67 floxマウスの視床網様核にインジェクションすることで、TRN特異的GAD67遺伝子欠損マウスを作成し、スピンドル発生への影響を調べた。その結果、AAV-CreGFPをインジェクションしたGAD67flox/+およびGAD67flox/floxマウスは野生型マウスと比較して、スピンドル波密度の減少が観察された。また、Y迷路を用いた学習実験においても、睡眠依存性学習の障害が観察された。この結果は、統合失調症患者で報告されているノンレム睡眠スピンドル波発生減少と同様の結果であり、統合失調症患者におけるTRN機能異常の可能性が示唆され、今後、ノンレム睡眠スピンドル波の生理的意義の解明が期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 統合失調症の病態に迫る-From bench to bedsideを目指して-2018

    • 著者名/発表者名
      三輪秀樹
    • 学会等名
      医療心理懇話会第3回集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 視床網様核におけるGAD67遺伝子欠損のノンレム睡眠スピンドル波発生への影響2018

    • 著者名/発表者名
      三輪秀樹
    • 学会等名
      第28回日本臨床精神神経薬理学会 第48回日本神経精神薬理学会合同年会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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