研究課題/領域番号 |
17K18399
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水野 雅之 筑波大学, 人間系, 特任助教 (60770047)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 大学生 / 発達障害 / メンタルヘルスリテラシー / スティグマ / 尺度作成 |
研究実績の概要 |
本研究は発達障害の大学生に関するメンタルヘルスリテラシーを向上させるプログラムを作成することを目的としている。しかし,我が国には,発達障害の大学生に関するメンタルヘルスリテラシーを測定する尺度が存在しない。すなわち,開発したプログラムの効果を検討することができない。そのため,今年度は,まず発達障害の大学生に関するメンタルヘルスリテラシー尺度を作成することを目的に研究を進めた。 尺度項目の作成にあたっては,発達障害の支援の専門家からアドバイスをもらった。また,メンタルヘルスリテラシーに関する先行研究,発達障害の大学生に関する書籍,精神医学の診断基準などを参考に,項目を作成した。作成した項目については,心理学を専攻する大学生5名に,項目の表現がわかりにくくないか確認を求めた。以上によって作成された項目によって構成される尺度を,発達障害の大学生に関するメンタルヘルスリテラシー尺度原版として,以下の調査を行った。 大学教員および大学生を対象にインターネット上で調査を行い,発達障害の大学生に関するメンタルヘルスリテラシー尺度の因子構造と妥当性,信頼性を検討した。その結果, 信頼性についてはおおむね問題ない値のα係数が示された。妥当性については,発達障害に関連する学問分野の専攻の群とそうでない群を比較することで検討した。その結果,発達障害に関連する学問分野の専攻の群の方が有意にメンタルヘルスリテラシーの得点が高かった。以上より,発達障害の大学生に関するメンタルヘルスリテラシー尺度は一定の信頼性と妥当性を備えた尺度であると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りに,初年度で測定尺度の作成を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
まず,大学生版の尺度の因子構造と信頼性,妥当性について検討を行い,尺度を完成させる。また,作成した尺度をもとに,どのような要因がメンタルヘルスリテラシーを高めるのか,またメンタルヘルスリテラシーがどのような行動を導くのか,検討を行っていく。
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