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2018 年度 実績報告書

ヒト配列ノックインマウスを用いたIG-DMRによるインプリント制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K18403
研究機関国立研究開発法人国立成育医療研究センター

研究代表者

原 聡史  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 研究員 (80739582)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードゲノムインプリンティング / Dlk1-Dio3ドメイン / IG-DMR / ヒト-マウス配列置換
研究実績の概要

今年度は、前年度に得られた結果から、ヒトIG-DMR繰り返し配列(hTR)を父方より遺伝したマウス(父方hTRマウス)胚におけるhTR配列のより詳細なエピゲノム状態を明らかにするため、ZFP57と相互作用しメチル化維持に重要な転写コファクターTRIM28、およびメチル化された領域のマーカーであるトリメチル化ヒストンH3リジン9(H3K9me3)の蓄積をクロマチン免疫沈降(ChIP)により解析した。その結果、TRIM28およびH3K9me3のいずれも、父方hTR配列のメチル化が回復していない個体においては母方アレルと同程度の低い蓄積レベルであったのに対し、父方hTR配列のメチル化が完全に回復した個体において有意な蓄積が認められた。このことから、父方hTR配列にはZFP57を介さずTRIM28がリクルートされる機構が存在することが明らかになった。TRIM28はDNAに直接結合せず、KRAB-ZNFとよばれる転写因子を介してDNA上に蓄積する。よって、ヒトにおいてはZFP57以外の別のKRAB-ZNFによりTRIM28がhTR配列上にリクルートされると考え、TRIM28をベイトとした酵母ツーハイブリッドスクリーニングを計画し、準備を進めていたが、最近になってヒトIG-DMRのインプリント維持に重要なKRAB-ZNFとしてZNF445が報告された(Takahashi et al., Genes Dev. 2019)。このことから、hTR配列はヒトZNF445を介してTRIM28をリクルートしている可能性が示唆された。今後は父方hTR配列とZNF445の関連性を分子生物学的に明らかにしていくことが必要である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] A tandem repeat array in IG-DMR is essential for imprinting of paternal allele at the Dlk1?Dio3 domain during embryonic development2018

    • 著者名/発表者名
      Saito Takeshi、Hara Satoshi、Kato Tomoko、Tamano Moe、Muramatsu Akari、Asahara Hiroshi、Takada Shuji
    • 雑誌名

      Human Molecular Genetics

      巻: 27 ページ: 3283~3292

    • DOI

      https://doi.org/10.1093/hmg/ddy235

    • 査読あり
  • [学会発表] 原聡史、高田修治2018

    • 著者名/発表者名
      ヒト配列置換マウスにおけるIG-DMRインプリント制御配列のエピゲノム状態
    • 学会等名
      第12回日本エピジェネティクス研究会
  • [学会発表] 欠失および配列置換マウスを用いたIG-DMRによる発現制御機構の解析2018

    • 著者名/発表者名
      原聡史、村松あかり、高田修治
    • 学会等名
      第111回日本繁殖生物学会
  • [学会発表] ヒト-マウス間におけるIG-DMRによるインプリント制御機構の違い2018

    • 著者名/発表者名
      原 聡史、高田修治
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会

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公開日: 2019-12-27  

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