小児潰瘍性大腸炎患者8例に対して糞便移植を行い、2例で臨床的寛解に加えて、内視鏡的寛解を1年間にわたり達成できたことは有意義であった。一方で、6例は長期的寛解を達成しえなかったが、うち5例は現在使用できるあらゆる治療薬を駆使しても寛解を維持できない最重症例であった。腸内細菌叢の解析では、8例中7例がドナーと大きく異なる細菌組成だったが、8例中6例では移植によりドナーに近似する傾向が見られた。 以上より、あらゆる治療に抵抗性の最重症例よりは軽症~中等症の症例に効果が期待できる可能性があること、および、小児患者に最適なドナー組成について、さらなる検討が望まれることが考えられた。
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