日米で用いられる大学発ベンチャーのデータには定義差が存在する。これが大学発ベンチャーの国際的な比較をする上での障害となっており、国内研究は日本特有の分析にとどまる。本研究では、米国との定義差を補正した研究開発型大学発ベンチャーの国内初のデータベースを用いて、わが国の大学発ベンチャーの特性分析を実施した。 まず、国内大学発ベンチャーについて、設立からの成長段階、分野で展開した上でWebアンケートを実施し、成長要因(ヒト・モノ・カネ)に関する分析を実施し、成長前後での企業側での必要なリソースや連携を期待する組織を明らかにした。加えて、大学発ベンチャーの特許書誌情報を基にベンチャーに関連する発明者を特定し、地図上へと可視化及び、域内外連携状況の分析を実施した。また大学発ベンチャーの特性分析として、特許情報の他、論文公表数のデータを加え、特許出願の有無と論文公表の有無による4分類を行い、それらの分布を明らかにし、経時変化分析を実施することで、研究開発型の大学発ベンチャーの特徴を明らかにした。最終年度はコロナ禍による制約の中、地域内自治体との連携有無による分野特性の分析を実施した。
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