研究課題
風力発電などの再生可能エネルギーは、発電時に二酸化炭素を排出しないため、地球温暖化対策に大きく貢献する電源である。今後数十年で再生可能エネルギーの供給を爆発的に増やす必要性が高まりつつある中、風力は最も急速に成長している再生可能エネルギー技術の1 つとなっている。そのような中、昨今、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)への対応等により、エネルギーインフラに対する気候レジリエンスの社会的関心と研究ニーズが急上昇している。そこで、高解像度大規模気候予測アンサンブルデータを用いて、気候変動による気候背景場の変化が将来の日本域における風力発電量に与える影響について調べた。+4度温暖化実験の計算結果を分析した結果、現在気候に比べて数%程度の風力発電量の低下傾向が見られた。特に夏から秋にかけて全域で減少傾向、冬から春にかけては日本の北で増加、南で減少する傾向が見られた。さらに、その要因分析のために、機械学習を使用して気候変動が日本の総観規模の気象パターン(WP)と局所規模の風速との関係に与える影響を分析した。気象パターン分類による気象場の発生数の変化を分析したところ、この変化は前者では擾乱成分の発生数が、後者では気候背景場の変化が主要因となっていることが示された。
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Atmosphere
巻: 10 ページ: 1-21
doi:10.3390/atmos10050265