研究課題
若手研究(B)
高解像度大規模気候予測アンサンブルデータを用いて、日本に域における風力発電量の将来の変化について調べた。+4度温暖化実験の計算結果を分析した結果、数%程度の風力発電量の低下傾向が見られた。特に夏から秋にかけて全域で減少傾向、冬から春にかけては日本の北で増加、南で減少する傾向が見られた。気象パターン分類により気象場の発生数を分析したところ、この変化は前者では擾乱成分の発生数が、後者では気候背景場の変化が主要因となっていることが示された。
気候学
将来の主力電源を担う日本域の風力発電量に関して温暖化の影響評価を詳細に行った初めての研究である。TCFD等エネルギーインフラに対する気候レジリエンスの観点から社会的関心と研究ニーズが急上昇しているテーマであり、社会的に影響が大きい。また、将来変化の要因を温暖化の力学的な効果と熱力学な効果に分離する手法を構築するという面で学術的にも意義深い。