悪性中皮腫は、アスベスト暴露後20~40年の長期にわたる潜伏期間を経て発症し、現在、日本において新規患者数は年々増加しておりピークとされる2030年頃には年間3,000人に達すると予想されている。悪性中皮腫においては、化学療法、手術療法、放射線療法の併用療法が行われているが、確定診断後の患者の予後は極めて不良であり新たな治療法の開発が求められている。本研究では、悪性中皮腫の原因遺伝子ががん抑制遺伝子に限られるという特徴を踏まえ、原因遺伝子の合成致死遺伝子を分子標的とすることでこれまで有効な治療法がなかった悪性中皮腫に対する新規治療法の開発を目的としている。
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