Outbreak関連大腸菌O166:H15の下痢原性を明らかとするため、全ゲノム情報を基に分子疫学解析を実施し、病原因子を調査した。集発患者由来5株、散発患者由来2株、保菌者由来2株のMLSTの結果、保菌者由来の1株以外はST349とその近縁に型別された。さらに、コアゲノム解析で、これら8株は単一系統群に属した。集発患者由来4株に共通する病原因子として、EAST1遺伝子とdispersinタンパク遺伝子が同定された。培養沈渣懸濁液を用いた乳のみマウス試験で軽度の腸管内液体貯留活性を示す株や、細胞付着性試験でHeLa細胞に対してdiffuse adherenceが観察された株が認められた。
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