本研究では差分PDF解析・in situ PDF解析技術を確立し、硫化物ガラスの結晶化過程におけるガラス・結晶双方の構造変化を可視化することで、高速イオン伝導発現のメカニズム解明を目指した。 差分PDF解析は、Li3PS4ガラスの結晶化過程の構造分離へ適用した。混在構造の分離に成功し、Liイオン伝導の向上はガラスや結晶の構造変化ではなく、粒子表面に形成された微結晶の存在が要因である可能性を明らかにした。また、SPring-8のBL04B2とBL08Wにて、秒スケールの時分割PDF解析の開発を進めた。Li7P3S11ガラスの結晶化に至る構造変化の加熱速度依存性について、可視化することに成功した。
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