奈良時代に用いられた色材・素材のナノ構造解明

2019 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 17K18446
• 研究機関: 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
• 研究代表者: 杉岡 奈穂子 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (00609167)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: 天然染料

研究実績の概要

本研究では、文化財全体を構成する様々な物質で作られている「材料」の微細構造観察を行なっている。これまでに、奈良時代に用いられた彩色片の一部を試料として、透過電子顕微鏡を用いた微細構造観察を進めている。緑色彩色には複数の彩色材料の使用が考えられ、層構造を含め引き続き検討を行っている。その他に、青色、赤色、白色、灰色彩色など経年変化による変色あるいは天然染料の使用の可能性も含め解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

染色・絵画材料等については、サンプル量や観察条件などの種々の制約のため、透過型電子顕微鏡(TEM)観察用の薄膜試料の作製に時間を要しているため。

今後の研究の推進方策

天然染料の痕跡から使用の有無、さらに混色や重ね塗り等の技法等に関しても検討を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナの影響により実験計画に遅延が生じたが、これまでに得られた結果をもとに実験材料を再選定し、分析解析作業を進める計画である。