研究課題
本研究では、文化財全体を構成する様々な物質で作られている「材料」の微細構造観察を行なってきた。これまでに、奈良時代に建築彩色として用いられた彩色部分の剥落片について、一部を試料とし走査型電子顕微鏡および透過電子顕微鏡を用いた微細構造観察を進めてきた。緑色、赤色、白色、黄色、青色、灰色など彩色には複数の彩色材料の使用が明らかになった。さらに、彩色層の層構造の解析および経年劣化等の変色の検討から、彩色技法について細部が明らかになった。