研究課題/領域番号 |
17K18447
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
MARES Emmanuel 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 文化遺産部, アソシエイトフェロー (90791129)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 日本庭園史 / 森蘊 / 昭和期 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本庭園史家であり、また作庭家でもあった森蘊(もり・おさむ、1905-1988)の業績を再評価すると同時に、昭和期の日本庭園史学の構築を再考することである。奈良文化財研究所に保管されている多くの資料(図面・スケッチ・写真・原稿・書簡など)の整理を進めながら、森と一緒に働いた職人の聞き取り調査を通して考察を深める。 初年度に引き続き、2018年度は現地調査や聞き取り調査などを進めた。2018年8月18日には、森蘊庭園研究室(森蘊旧宅)にて「昭和の作庭記・森蘊の業績と日本庭園史の作成」という研究会を開催し、来年度にはその報告書を発行する予定である。 また、2018年9月28日から10月1日まで米国ポートランドにて開催された欧米日本庭園協会の国際シンポジウム「Japan’s Gift to the World : Japanese Gardens as Global Phenomenon」に参加し、英語で研究の成果を発表した。 さらに、2019年3月28日に奈文研のホームページで「森蘊旧蔵資料」の目録を公開した。こうして、資料の整理ができたので、これからはデジタール化を進め、データベース作成に取り掛かる予定である(https://www.nabunken.go.jp/research/moriosamu.html)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた歴史的な庭園の図面の整理と選別は予想以上に困難な作業てあり、必ずしも計画どおりではない。しかし、2年度に当たる2018年度に「昭和の作庭記・森蘊の業績と日本庭園史の作成」という研究会を開催したことと、「森蘊旧蔵資料」の目録を整理し、インターネット上で公開できたことは大きな成果であり、おおむね順調と評価できよう。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度に当たる3年目には、これまでの研究をまとめて、公開する予定である。まずは2年目に開催した研究会「昭和の作庭記・森蘊の業績と日本庭園史の作成」の報告書を作成する予定である。また、森蘊と一緒に働いた職人の聞き取り調査をまとめ、記録映像の作成を進める。記録映像は2019年の日本庭園学会で上映する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年3月22日に開催された九州支部の造園学会発表会に参加する予定であったが、奈良文化財研究所の別の業務と重なり、行けなくなってしまった。来年度にはまた九州支部の造園学会発表会に散会する予定である。
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