研究課題/領域番号 |
17K18458
|
研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
古川 聖 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (40323761)
|
研究分担者 |
藤井 晴行 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (50313341)
小林 祐貴 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (70756668)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
|
キーワード | マルチモーダル / 自動作曲 / 建築学 / コンピュータ音楽 / アルゴリズム作曲 / 聴覚化 ソニフィケーション |
研究実績の概要 |
2017年8月に建築を音楽構造へ変換する、Gestalt-Editorの研究用のプロトタイプを公開パフォーマンスを可能とする、GE-Version1にすべく、集中作業をおこなった。その成果として、11月に沖縄科学技術大学院大学、東京都現代美術館サテライト、12月に東京芸術大学美術館、翌年4月に東京ドイツ文化センターなどでパフォーマンスと講演を行なった。対象とした建築、ファンズワース邸(ミース・ファン・デル・ローエ)、銘苅家住宅(沖縄の古民家、重要文化財)植田正治写真美術館(高松伸)などは、藤井、小林らの研究に基づいて、注意深くモデル化された。GE-Version1においてある程度固定された建築から音楽構造へのマッピングは、パフォーマンスごとに改良が重ねられた。GE-Version1のマッピングに関しては次年度以降に発表する。2017年2月以降、GE-Version1の持つ、問題点を解決するためにGE-Version2の作成へむけてミーティングを繰り返している。GE-Version1の問題点はGE-Version1は伝統的建築のエレメント(柱、壁、屋根、床など)のみをあつかい、より複雑な形状の建築には対応不能であり、また、建築体験の切り取り(どの角度からどの距離で見るか、または何に注目しているか)に大きな制限があることなどが主なものであり、本研究の核である建築/音楽構造のマッピングをこえた、建築体験と音楽体験のメタレベルでの対応を考える上で、この問題はぜひ解決すべき問題である、次年度以降にそれらをおこなう。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績の概要にも書いたように、まだ手探り状態だった研究用のプロトタイプから、GE-Version1が完成し、それを使ったパフォーマンスを通して、多くの知見を集めることができた。それらはまだ十分に整理されていないが、研究の方向性は定まったといえる。私たちが申請書の研究方法にも書いた、構成論的手法、つまりトライアンドエラー、仮説と検証がうまく機能していると言える。GE-Version1のソフトウェアとしての実装には研究協力者の濵野峻行のすばらしい着想、経験、知識が生かされている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要にも書いたが、GE-Version1のパフォーマンスを通して、本研究の目指す方向性がより明確になってきた。GE-Version1におけるマッピングの問題点を、GE-Version2において改良していく。今後、重要になるのはGE-Version1、GE-Version2などを使って実際に体験可能になったシステムを使った、外部の人たちからのフィードバックであり、知見の提供をうけることである。2018年5月には国内の専門家を集めシンポジウムをおこなう。7月と8月には国際会議で発表し、国内外からの知見を集める予定である。(ICMC,SMC)
|
次年度使用額が生じた理由 |
2018年度末に海外出張(ベルギー)が予定されていたので、その費用の一部として繰越を行なった。
|