研究課題/領域番号 |
17K18458
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
古川 聖 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (40323761)
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研究分担者 |
藤井 晴行 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (50313341)
小林 祐貴 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 講師 (70756668)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 作曲 / 建築 / 認知科学 / クロスモダリティ / コンピュータ音楽 / ソニフィケーション / メディアアート / 実験音楽 |
研究実績の概要 |
期間中、研究代表者である古川と分担者である藤井、小林は会合を重ね、協力して建築と音楽のモダリティーに橋をかける研究を共同で行ってきた。藤井は空間と身体性、アルゴリズミック デザインの側から、古川は音楽の知識表現、自動作曲の側から、小林はモデル制作を通してこの研究を推し進め、自動作曲のための自ら開発したGestaltEditorという音楽認知も含めた音楽生成のためのプログラミング環境を音楽生成と同時に空間構造の生成する機能を加える作業をおこなった。2017年末には一連のパフォーマンス(東京都現代美術館、沖縄大学院大学、東京芸術大学など)を行い研究成果を公開した。2018年度の年度末(2019年3月)にはこの研究の第1期のまとめとしてベルギーのゲントにてパフォーマンスと講演をおこない反響をえた。また、同時に次の研究へのむけ、ベルリンのユダヤ博物館(リベスキント設計)の調査を行った。(本研究は2019年度から基盤研究(C)の研究助成を受け2021まで継続される)期間中、研究開始時点(2017)においてGestaltEditorが持っていた、主に伝統的な柱、壁、床、梁、屋根などを基本エレメントとする仕様から、抽象的な形状をもつ現代建築へも対応可能な仕様へと拡張作業を行った。また、当初、自動ピアノの実時間制御により音楽生成を行なったが、ベルギーのパフォーマンスでも用いた現在のバージョンでは、それに多チャンネルの電子音響システムが加えられ、建築体験の空間性への対応へと拡張された。また、本研究を通して建築体験において構造、素材、構造認知の向こう側に横たわる人間や文化のレベルの重要性が明らかになり、継続研究において行うベルリン・ユダヤ博物館の体験の音化においては、建築家リベス・キントの構造的意図とその背景にあるユダヤ民族とヨーロッパの歴史、文化の関係性をも射程にいれて実施する。
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