研究課題/領域番号 |
17K18462
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀江 剛 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50379898)
|
研究分担者 |
樫本 直樹 産業医科大学, 医学部, 助教 (20622533)
土師 俊子 (服部俊子) 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50609112)
大北 全俊 東北大学, 医学系研究科, 講師 (70437325)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
キーワード | 組織倫理 / 病院組織 / 臨床倫理 / システム理論 |
研究実績の概要 |
1)人文社会科学における「価値」概念に関する文献研究として、組織論(社会学)及び価値哲学(倫理学)分野の議論を探査・整理した。とりわけ、ニクラス・ルーマンの『公式組織とその派生的問題』(Nkulasu Luhmann, Funktionen und Folgen formaler Organisation)に関する考察を通して、病院・企業・学校等の公式組織の一般的な構造と諸問題を整理することができた。 2)病院組織に関しては、研究分担者と共に研究会を行い、病院関係者(特に臨床倫理コンサルテーションや病院内倫理委員会に関わる人々)を招いた実際問題の議論等を実施した。研究会(2018年2月3-4日実施)では、次の研究発表が行われた。すなわち、「臨床倫理活動から見える「組織」における/の倫理問題:医療組織倫理 organization ethics in healthcare」のサーベイから」(服部)、「病院組織における「倫理問題」とは何か」(堀江)、及び臨床倫理士による大学病院における倫理コンサルテーションの現状報告。 3)これら文献研究と研究会での議論を元に、学会(応用哲学会)において「「医療組織の倫理」という視点」という題目でワークショップを行った(2018年4月8日)。それぞれの発表題目は、「現場の倫理問題への取り組みと組織の問題」(服部)、「倫理に対する、ある医療機関の内部者による取り組み」(大北)、「臨床倫理活動から見えてきた「組織と対話」という視点」(樫本)、病院という医療組織における「倫理問題」とは何か:システム論・組織論の視点」(堀江)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度研究実施計画として「仕事/生活上の価値に関するアンケートとインタビュー」を実施する予定であったが、これは平成30年度のソクラティク・ダイアローグで行うことにした。その代りに、研究会を通して病院関係者と直接に意見交換や議論を行うことができ、研究として重要な知見を得ることに成功した。よって、おおむね順調に進展していると判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度においては、ソクラティク・ダイアローグ(哲学対話)を実施する予定であり、すでに研究協力者(対話の参加者)に関する募集も完了し、第1回目を5月に行う日程を立てている。また、この研究調査に関する研究倫理審査申請も行っている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた人件費・謝金について、他機関による助成金によってまかなわれたため発生しなかった。そのため、これを次年度使用する予定である。
|