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2018 年度 実施状況報告書

裁判員の心理的負担軽減に向けた遺体写真の適切なインフォグラフィック化研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K18466
研究機関立命館大学

研究代表者

原木 万紀子  立命館大学, 共通教育推進機構, 准教授 (60778926)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワードInfo graphics / 医療コミュニケーション / 裁判員裁判 / Medical Illustration / Medical-legal イラストレーション
研究実績の概要

東京大学大学院医学系研究科法医学教室から提供を受けた遺体写真をもとに、5つの症例を用いて、東京大学大学院医学系研究科法医学研究室に属している教員、研究者、学生(および同研究室に研究目的で出入りをしている、他大学の教員および研究者を含む)17名に対し、遺体写真をインフォグラフィックス化する際の課題(①色彩の課題、②描写の情報量の課題、③閲覧時に感じる感情)をアンケートおよび、アンケート実施者の一部に対して追加インタビューを実施した。
①の色調については、打撲や微妙な外傷もしくは従来からあった傷等を判断できなくなる可能性、肌の色の変化により人種の判断がつかなくなる可能性が指摘され、写真のままの色を再現することが、情報としてもっとも適しているという結果を得た。
②については、写真を抽象化し、必要な情報に焦点を当てて描写した特徴的表現の支持が5つの症例においても多い傾向が出た。n数は少ないものの、専門家としての貴重な意見であり、情報としての正しさを担保するための貴重な意見を得られた。今後実施する調査(裁判員として選定可能性がある大学生に対し調査を実施)にて③と共に比較を行う予定である。
これらの結果は2000年代前半にまとめられた Medical-legal Illustration作成にかかる19のprocedureに該当する点、また相違がみられた点があり、研究の最終的な目的である遺体写真の適切なインフォグラフィック化に際するFlame work 作成に向けて前進的な一歩を得られた。
また、①と②の結果については、現在Journal of Visual Communication in Medicine に論文として投稿予定であり執筆の最中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定をしていた書籍の執筆を先に行ってしまったため、調査実施のスケジュールがずれているが、今年度中にはすべての調査を実施し終え順次結果を報告していけると見込んでいる。

今後の研究の推進方策

論文執筆と並行をして調査を実施し、データが得られた時点で即座に解析を行い、結果と共に今後の方向性を示していく。最初の論文に付随する形で新たな調査、新たな結果との比較を実施していくため、スムーズに執筆および投稿、Acceptまでが可能であると考えている。

次年度使用額が生じた理由

研究の進め方を当初最後に持ってきていた書籍発刊を先に実施したために、使用予定金額との齟齬が生じた。しかし全体としての計画としては変わらない為、次年度での使用を以下の通りに行う予定である。
成果の発信にかかる費用として、論文投稿にかかる校正・投稿日だけではなく、論文のAcceptを待って参加をする学会の参加費等が含まれるため、今後得られる結果の発信および、結果を得るための調査実施に際する費用として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 図書 (2件)

  • [図書] 伝わる医療の描き方 患者説明・研究発表がもっとうまくいくメディカルイラストレーションの技術2018

    • 著者名/発表者名
      原木 万紀子
    • 総ページ数
      143
    • 出版者
      羊土社
    • ISBN
      978-4758118293
  • [図書] 芸術と情報のあいだ: 情報を描写するインフォグラフィックの素描2018

    • 著者名/発表者名
      原木 万紀子
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      978-4326800599

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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