研究課題/領域番号 |
17K18480
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
佐久間 寛 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (80726901)
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研究分担者 |
中村 隆之 早稲田大学, 法学部, 准教授 (20510085)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 文学 / 文化人類学 / 雑誌研究 |
研究実績の概要 |
本研究開始年度である2017度は、アフリカ・カリブの反植民地運動に大きな影響をおよぼした黒人文化総合誌『プレザンス・アフリケーヌ』が刊行70周年を迎えることから、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)共同利用共同研究課題「『プレザンス・アフリケーヌ』研究 あらたな政治=文化学のために」との共催により、同誌を主題とする国際シンポジウム「『プレザンス・アフリケーヌ』研究:超域的黒人文化運動の歴史、記憶、現在』(8月22~24日、於東京外国語大学)を組織した。また同シンポジウム開催とあわせてパリのケブランリー美術館が企画した「プレザンス・アフリケーヌ展:超域的黒人文化運動をめぐるイメージの軌跡」(2017年8月17~31日於東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)のアジア初開催を実現した。さらに2018年3月18日~19日には、神戸大学にて開催された上記共同利用共同研究会の今年度第3回研究会においては、研究代表者である佐久間が文化資本概念に基づく研究方針について報告をおこなうとともに、研究分担者である中村が上記シンポジウムを総括し、2019年度にストラスブール大学で開催される第2回国際シンポジウム「プレザンスアフリケーヌ研究:言語、文化、政治(仮題)」に向けた準備を整えた。なお研究代表者の佐久間は、2018年2月、フランスに渡航し、パリとストラスブールで資料収集と聞き取り調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2017年8月に開催した「『プレザンス・アフリケーヌ』研究:超域的黒人文化運動の歴史、記憶、現在』には、18カ国61名から発表の応募があり、査読の結果8カ国20名の発表者が選出され、聴衆も含めて159名の来場者があった。その成果は、すでに『図書新聞』の対談や『ふらんす』(白水社)の特集を通じて社会的に発信されているが、最終的には、研究対象である当の『プレザンス・アフリケーヌ』誌により特集化されることが決定した。現在、『プレザンス・アフリケーヌ』誌の現編集長ロミュアルド・フォンクア氏の協力を仰ぎながら準備を進めている。また2019年には第2回目となる国際会議をフランスのストラスブール大学で開催することが決定した。これらは当初の計画にはなかった重要な成果であり、「当初の計画以上に進展している」との評価が妥当と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進にあたっては、2017年度の研究成果をテキストとして着実に公表していくことを第一目標とする。とりわけ『プレザンス・アフリケーヌ』誌の特集号においては、佐久間および中村が寄稿のみならず、編集作業面にも関わる計画である。また2019年度の第2回シンポジウムに向けて、『プレザンス・アフリケーヌ』誌編集長のフォンクア氏や、ストラスブール大学のロモ・ミヤジオム氏と綿密に連絡をとりながら、準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
最大の支出が見込まれていた2017年8月のシンポジウムをめぐり、本科研費以外にも複数の予算から支出を受けたため次年度使用額が生じた。次年度は、シンポジウムの成果公表のために本科研から優先的に支出する計画である。
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