研究課題/領域番号 |
17K18480
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 明治大学 (2019) 東京外国語大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
佐久間 寛 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (80726901)
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研究分担者 |
中村 隆之 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (20510085)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 文学 / 文化人類学 / 雑誌研究 |
研究成果の概要 |
アフリカの独立運動に影響を及ぼした黒人文化総合誌『プレザンス・アフリケーヌ』(以下PA誌)をめぐって、フランスやアフリカ諸国にて研究調査を実施し、その成果を国際シンポジウム(2017年、2019年)や学会誌の特集(2018年、2020年)を通じて公開した。とりわけPA誌刊行70周年を記念して東京外国語大学で実施された2017年の国際シンポジウム「『プレザンス・アフリケーヌ』研究:超域的黒人文化運動の歴史、記憶、現在」は、同誌が1956年に開催した黒人作家芸術家会議の精神を冷戦崩壊後の現在に再現する試みとなった。同シンポジウムの成果は、2020年にPA誌198号の特集を通じて世界へ発信された。
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自由記述の分野 |
文化人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『プレザンス・アフリケーヌ』は世界の黒人知識人が研究や創作を発表する場ではあっても、それ自体は十分な研究対象となり得てこなかった。理由の一端は、同誌の複合的性格を捉える方法論がなかった点にある。そこで本研究は、文化人類学と文学研究の手法を通じて『プレザンス・アフリケーヌ』を多角的に研究した。結果として、同誌の歴史的意義が、(1)植民地主義と人種主義に抗しつつ黒人文化を創造する実践の場であると同時に、(2)地域・世代・専門性を超えた黒人知識人のネットワーク構築の場である点が明らかになった。現代世界には植民地主義と人種主義が再帰しつつある。本研究はこうした状況の批判的洞察に資する知見を提出した。
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