研究課題/領域番号 |
17K18483
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
澤田 美恵子 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (80252815)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 工芸 / Japanese craftsmanship / Japanese culture / 京都の伝統工芸 / 共在感覚の時空間 |
研究実績の概要 |
①2019年度に予定していた京都・新潟・沖縄・東京の伝統工芸を比較研究し伝統工芸の外の言葉に関してはデータベースを完成し、写真付きの辞書として英語と日本語のバイリンガルで書籍化することが今年度前倒しでできた。書籍は「JAPANESE CRAFTSMANSHIP」というタイトルで澤田美恵子の単著として小学館から出版した。 ②認知言語学の視点から京都での伝統工芸に関して分析し、伝統工芸の工房内で使用される言葉を中心に考察した書籍「京の工芸ものがたり1 Part 2」を現在印刷中で6月に理論社から出版される。 ③京都にない伝統工芸の工房における専門用語の収集のための新潟、沖縄、東京の伝統工芸の工房でフィールドワークし、そこでの考察をまとめた結果をフランス、リヨン大学において2019年3月25日に「Japanese culture and craftsmanship」という演題で講演を行った。 ④京都市とパリ市の姉妹都市60周年の式典が2018年6月18日から23日にパリであり、それに伴う京都の職人とパリのアーティストのコラボレーションで作品を創るプロジェクトに招聘され参加し、貴重な聞き取り調査を実施できた。また、明治維新後の日本の伝統工芸に大きな変化をもたらしたパリ万国博覧会で、どのような反響があったかについての文献の収集と現地調査をし、海外からのリクエストでどのように日本の伝統工芸が変化したかを考察できた。 ⑤2018年7月8日京都における国際シンポジウム「日本の空間感覚と科学技術化によるその変貌」にて、認知言語学的観点から興味深い百科事典的意味工芸に関する言説を分析した研究「共在感覚の時空間」というタイトルで発表し、2019年1月発表内容を加筆修正し、雑誌「空間感覚の変容」において、「共在感覚の時空間」という同タイトルで論文を掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2019年度に予定していた京都・新潟・沖縄・東京の伝統工芸を比較研究し伝統工芸の外の言葉に関してはデータベースを完成し、写真付きの辞書として英語と日本語のバイリンガルで書籍化することが前倒しでできた。書籍名は「JAPANESE CRAFTSMANSHIP」で澤田美恵子の単著として小学館から出版した。また、本研究の情報発信のためにサイト( http://lovekogei.com)を立ち上げ、英語と日本語で情報発信し、グローバルにコミュニケーションを広げ、国際的なネットワークを豊かにしている。
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今後の研究の推進方策 |
研究は予想以上に国際的な展開をし、前倒しで計画が実行できている。2018年度はプロジェクト参加、調査、講演により、フランスでのネットワークが確立できた。今年度は国内では京都を足場とした工芸のネットワークを、当初計画通り沖縄、新潟、東京で確実にし、加えて、日本人移住120周年を迎えるペルー日系人協会から講演依頼があったので、現在日系人10万人を超えるペルーの地における日系職人の聞き取り調査をして、伝統工芸についての語彙や、伝統文化についての意識の調査を行い、日本文化の周辺の地で伝統工芸のどのような語彙が使用されているのかについても調査を広げたい。
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