研究課題/領域番号 |
17K18487
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研究機関 | 青森中央学院大学 |
研究代表者 |
加藤 澄 青森中央学院大学, 経営法学部, 教授 (80311504)
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研究分担者 |
中川 孝子 青森中央学院大学, 看護学部, 准教授 (50469417)
松浦 淳 青森中央短期大学, その他部局等, 准教授 (50612462) [辞退]
秋庭 由佳 青森中央学院大学, 看護学部, 教授 (70336428)
飯村 龍一 玉川大学, 経営学部, 教授 (80266246)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害 / コーパス言語学 / 機能言語学 / 自然言語処理 / 談話分析 / 言語発達 / 語用論的障害 / ASD |
研究実績の概要 |
1.言語セラピー 自閉症スペクトラム障害児(ASD)の言語発達の遅れに対処するために、2017年度より、青森中央学院大学地域マネジメント研究所にランゲージ・ラボを設置し、言語セラピーを実施して、言語データを蓄積してきたが、2019年度に言語セラピーを終結し、自然言語処理によるデータベースの構築にとりかかった。 2.自然言語処理によるデータベース作成 ①言語データの逐語記録化を行った。②アノテーション項目であるlexicogrammarを設定し、辞書を作成した。lexicogrammarは、過程構成・Agency・態度評価・程度評価・モダリティ・clause complex・logico-semantic relation・ムード・証拠性・態(能動・受動)・オノマトペ・フィラーである。③の新設辞書に基づき、アノテーションを行った。⑤アノテーション・ツールのversion upを実施し、現時点で、version15を達成している。⑥Systemic Functional Linguisticsに基づいた日本語のsystem networkの開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では、同時進行でトランスクリプト化とデータ処理を行う計画であったが、言語指導とその準備で手一杯という状況で、実際には手が回らないという状況が続いたためである。従って、言語セラピー終結後に、トランスクリプト化及びデータ処理にとりかかるというプロセスとなったのが、遅滞の大きな理由である。さらにデータベース構築のためのアノテーションとプログラミングに予想より時間がかかっていることも遅れの理由である。つまり、構築過程で、データベースにさらなる精緻化をはかるため、意味付与のためのアノテーション項目を一層、増大させたのと、このことに伴うプログラミングとの調整が遅れの理由である。
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今後の研究の推進方策 |
自然言語処理によるコーパスベースアプローチのデータベース ① AIに深層学習させるため、自閉症スペクトラム障害児/者と定型発達児/者の話し言葉のデータベースのアノテーションのルールの一貫性と精緻化を徹底させるために、先ず、マンパワーによるマニュアルでのアノテーションの再チェックを、全データに対して、数回にわたって行う。② AIによるアノテーションの深層学習を開始する。③AIによる深層学習の結果を待って、アノテーションの自動化を試験的に行い、その精度と実用化の可能性を探る。④Systemic Functional Linguisticsに基づいた日本語のsystem networkを基に、定型発達児/者とのデータベースの比較対照を行い、語彙-文法資源の正常と逸脱選択網の対比マッピングを行う。⑤ ④の対比マッピングから、自閉症スペクトラム障害の言語行動で何が逸脱しているのかを、語用論的障害、神経認知学の観点から考察し、言語セラピーに有用な知見としてまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
データベース構築のためのアノテーションとプログラミングに予想より時間がかかっているため、次年度に持ち越す必要性が生じた。時間がかかっている理由は、構築過程で、データベースにさらなる精緻化をはかるため、意味付与のためのアノテーション項目を一層、増大させたのと、このことに伴うプログラミングとの調整のためである。
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